拠点病院診療案内とは

はじめに

平素より厚生労働行政推進調査事業費補助金エイズ対策政策研究事業「HIV感染症の医療体制の整備に関する研究」班の研究に対し格別のご高配を賜り、心より厚く御礼申し上げます。

この度「拠点病院案内2017-2018」を改訂しました。

岩本愛吉博士らによる「The HIV care cascade: Japanese perspectives」によって、我が国のエイズ治療拠点病院における抗HIV療法の優れた治療成績が世界に示されました。これは、行政、拠点病院をはじめとする医療機関、関連支援団体及びHIV/AIDSとともに生きる人々が一体となった取り組みの成果です。

我が国においては、どの地域、どの施設でも高い水準で確実な抗HIV療法が実施されていることから、今後、HIV/AIDSとともに生きる人々の生命予後は一層改善されることが期待されます。我々は、HIV/AIDSとともに生きる人々が自身の感染事実を早期に確認(早期診断)し、確実かつ適切な医療を提供(早期治療)され、良好な治療成果を維持(療養支援)できるよう、居住地等における診断・診療・療養体制整備に取り組み、社会的な予後の改善をはかる必要があります。

まもなく改正される「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」(エイズ予防指針)では、地域の実情に即して、検査・相談体制の充実等の施策を講じること及び多施設の連携による診療・長期療養体制整備を進めることが重要と記載される見込みです。

是非、「エイズ治療拠点病院案内」を、HIV/AIDSとともに生きる人々の適切な支援を受けるための医療機関の選択にお役立てください。また、各エイズ治療拠点病院の現況を把握していただき、HIV/AIDSとともに生きる人々の、地域の実情に応じた多施設連携・機能補完による診療体制再構築推進にご利用ください。

HIV/AIDSとともに生きる人々の生命予後が改善された現在こそ、後に添付した「エイズ治療の拠点病院の整備について」(平成5年7月28日付け健医発825号 厚生省保健医療局長通知)に従って、「どこの医療機関でもその機能に応じてエイズ患者等を受け入れる」ことをHIV感染症/エイズ診療の基本的な考え方とし、拠点病院は「エイズ患者等の状況に応じて、地域の他の医療機関との役割分担・連携に努め」、都道府県等行政、関連支援団体及びHIV/AIDSとともに生きる人々と共に「地域の実状を勘案しつつ拠点病院と地域の他の医療機関とのエイズ診療の連携システム及び教育・技術的支援システム構築」に取り組みましょう。

最後に、本拠点病院案内の作成に際しご理解、ご協力をいただきました全ての皆様に重ねて深く感謝申し上げます。

平成29年11月
研究代表者 横幕能行

 

HIV感染症の医療体制の整備に関する研究(平成29年度研究者)

研究代表者 横幕 能行 独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 感染症、HIV感染症、内科 エイズ総合診療部長
研究分担者 伊藤 俊広 独立行政法人国立病院機構 仙台医療センター 感染症内科医長・HIV/AIDS包括医療センター室長
山本 政弘 独立行政法人国立病院機構 九州医療センター AIDS/HIV総合治療センター部長
岡 慎 一 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター センター長
豊嶋 崇徳 北海道大学病院 血液内科 教授
茂呂  寛 新潟大学医歯学総合病院 准教授
渡邉 珠代 石川県立中央病院 免疫感染症科 診療部長
渡邊  大 独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 臨床研究センターエイズ先端医療研究部 HIV感染制御研究室長
藤井 輝久 広島大学病院 輸血部 准教授
宇佐美雄司 独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 歯科・口腔外科 医長
池田 和子 国立研究開発法人  国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 看護支援調整職
吉野 宗宏 独立行政法人国立病院機構 宇多野病院 薬剤部長
本田美和子 独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 高齢者ケア研究室室長
葛田 衣重 千葉大学医学部附属病院 地域医療連携部 技術専門職員
三木 浩司 小倉記念病院 緩和ケア・精神科 部長
内藤 俊夫 順天堂大学医学部総合診療科 教授
四柳  宏 東京大学医科学研究所 先端医療研究センター 教授